関東地区にいる長崎を愛している人が、それぞれの視点で、長崎の外部にある長崎ゆかりの様々な素材、長崎の外にいるからこそ見えてくる長崎の隠れた素材を発掘し、それを加工することにより、長崎の活性化につなげていきます。

2010年02月12日

研究成果報告書・前書き部分

ふかのこうへいです。
研究成果報告書の前書き部分の最新版を掲載します。皆さんからのコメントがなければ、これを最終版にしたいと思います。

■ 塾長コメント ■
長崎市東京事務所の方から、長崎伝習所塾を東京でもやってみたい、とのお話を頂いたのは昨年初だった。東京のような広い町で定期的に人を集めて、しかもまとまった成果を出すような活動はできるのだろうか。迷った時期もあった。ただ、やってみなければ何も始まらない!との思いで、手を挙げた。
それから一年余り。塾の活動は、船頭たる塾長の不手際からダッチロールを繰り返しながらも、ゴールにたどり着いた。その原動力は、何といっても在京長崎応援団という塾名そのままの、「長崎のために」と集まった塾生の皆さんの熱い思いだ。むしろ、塾生に背中を押されて、ゴールに辿りついた感が強い。
また、東京での長崎伝習所塾開催という初めての試みであったが故に、関係者の皆さんに様々な我侭をきいていただき、また、成果についても水準を求めず、まずは完走すればよい、との気楽な気持ちで取り組ませていただいたので、今があると感謝している。

■ 塾の目的 ■
この塾の目的は2つある。一つは、東京近辺に住む長崎フリークが何らかの形で長崎のため何かをすること。もう一つは、東京近辺に住む長崎フリークのネットワークを形あるものにすることだ。
一つ目の課題については、長崎市内で活動している塾のように、テーマを一つに絞って全員で取り組む、という考え方もあった。しかし、ここは東京だ。自宅も離れているし、全員が定期的に一同に会することを求めるのは難しい。であれば、一番成果をまとめやすいやり方を考える必要がある。場合によっては一人でも活動できるように、各自が思い思いのテーマを選択しそれをレポート等の形で纏め上げられれば良いのではないか。ということで、各自が興味あるテーマを選択し、それをレポートのような形に取りまとめ、成果物はそのレポート集とすることとした。  
もう一つの課題は、ヒトの基盤作りだ。とはいっても、既にこの塾に手を挙げてきた時点で、「長崎に対する思い」というバーをクリアしている塾生ばかりなので、そうした個々の思いを有機的に連携させられるような、しかも長続きするようなインフラを整備しようと目指した。

■ 塾の研究・活動内容 ■
東京では、一箇所に集合するだけでも、集合するための移動時間・コストがかかる、勤務後となると会議開始時刻が遅くなる、等の問題を避けられない。現に、この塾の定期会合は一ヶ月に1回程度しか開催されておらず、また、会議室の都合で1回の開催時間が1時間強に制限されていた。このため、日常の情報伝達・意見交換はインターネットやメールの活用を基本とした。同時に、定期会合の限られた時間は、個々の研究についての意見交換よりも、特に重要な作業スケジュールや段取りの説明など、ロジスティックな内容が中心となった。ただし、そうした内容だけだと定期会合は乾燥したものになる。このため、定期会合の後には、必ず有志で居酒屋に繰り出し、ここぞとばかり、潤いのある話をした。
一方、研究活動は各テーマごとの担当者が自由に価格立案・遂行した。塾からは、期限と分量を伝えるだけである。各テーマの担当者は、ネットを通じて他のテーマの担当者に参加を呼びかけたりもした。逆に、担当外のテーマに関して意見を伝える塾生も出てきた。無秩序な運営を善意と好意が助け、塾活動は前進していった。
また、定期会合のうち一度は、壱岐の老舗旅館で修行をしている塾生のプロデュースで、とある店を借り切って壱岐料理のパーティを開催した。壱岐から旅館の女将も参加され、その時は参加者が膨れ上がった。この塾の塾生は、とりわけ美味しいものに目がない。

■ 塾活動の成果 ■
塾生の熱い思いを形にしたレポート集は、とりあえず完成した。素材が歪まないように、塾として塾生の活動や主張をコントロールすることは避けたため、レポート集はご覧になれば一目瞭然だが、荒削りな料理を一緒に皿に盛り付けたようなものである。個々の料理全体に通じるコンセプトのようなものはなく、共通点は「オレは、私は、長崎のために何かしたかった」という叫びだけだ。結局、塾生たちで選んだテーマは13に上った。ふるさと納税やブランド力、人材育成など、比較的堅めのテーマから、観光、映像、そして蝶々夫人や今流行の坂本龍馬、自らの長崎単身生活を綴った柔らかいテーマまで種々雑多だ。
考えてみれば、長崎の卓袱料理も、その時々の贅を無秩序に一皿に盛り合わせたものである。この塾の成果に似ている。「和」「華」「蘭」という響きも含め・・・?。そして、料理人たる塾生たちは胸を張る。この熱い思いで作り上げた料理を、熱いうちに召し上がれ!と。
なお、こうした経緯で作成された冊子であるため、掲載されている文章の記載や意見・主張の責は全て作成者たる塾生に帰すものであり、伝習所塾を取りまとめている長崎市とは無関係だ。
一方、東京での長崎フリークネットワークの構築は、オンラインとオフラインの二本立てとした。前述の通りメールで様々な情報交換もしたし、ある塾生の好意により、在京長崎応援団塾のサイトも立ち上げた。サイトの活用実績は未だ十分とはいえないかもしれないが、単なる事務連絡にとどまらず、長崎への帰省時の話題を提供したり、分科活動の簡単なレポートを掲載したり、徐々に稼働率が高まっている。このサイトが、東京近郊在住の長崎フリークの「溜まり場」に成長していってくれたら素晴らしい。
一方、face to faceのオフラインの活動は、定期会合の後の居酒屋ツアーが代表的だ。しかし、長崎まで行って料亭で検番さんと楽しいひと時を過ごしたり、長崎出身の大将がいる居酒屋に集まったり、岩崎邸を見学したり、様々な分科会が派生的に発生した。まさに活きている、そして繁殖している塾活動だな、と感じた次第だ。この塾の塾生は、どうやらオンラインの繋がりより、オフラインの接触を嗜好するようだ。
とにもかくにも、在京長崎応援団塾の1年が終わった。ただ、仮に塾が終焉したとしても、塾生にとっては、このつながりがスタートしたことに他ならない。来年の今頃も塾生の誰かが居酒屋で集っていそうな気がする。


以上


Posted by 在京長崎応援団塾 at 08:57│Comments(1)
この記事へのコメント
深野さん

前書き有難うございます。
深野さんの、在京長崎応援団塾の、熱い思いがほとばしっています!!
ご苦労様でした。


なお、もう修正されているかもしれませんが、塾の研究活動内容の真ん中あたり、「企画立案」が「価格」になっているようです。

老婆心ながら・・・・
Posted by 上野 at 2010年02月14日 17:06
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